児童発達支援

☆机上課題:季節の製作

季節の製作についてご紹介いたします。
 2月3日は節分の日という事で、「節分の箸袋」を2膳作りました。
 まず始めに、はさみで線を切りました。線を見ながらはさみでまっすぐ切る事は、目と手先の協応動作につながります。目と手先の協応
動作とは、見た情報を元に手を動かす認知機能や生活に必須な機能です。切る場所は全部で3箇所でしたが、線からはみ出ないよう、慎重に切っていました。
 次に、箸袋を折っていきました。折り方は山折り・谷折りの2種類があり、1か所ごとに折り方を確認しながら進めました。お子さん達は線をよく見ながら丁寧に折っていました。また、片方の手で箸袋を押さえたり、端と端を合わせたりする工程は集中力や思考力を身に付ける事ができます。今回は季節も取り入れましたが、季節の製作は、どんな気候になりどんな動植物が育ってくるのか、遊びの種類や行事を学ぶ事ができます。また、春夏秋冬それぞれ習慣や食文化が変わってきますが、製作を通して季節を感じる事ができるのも、季節の製作の魅力となっております。頑張って作った箸袋を見て、お子さん達に素敵な笑顔が見られました。

☆運動課題:サーキット(ボルダリング・ハードル・トンネル)

 ひまわり教室で行っている運動課題についてご紹介いたします。
 様々な運動器具を並べてサーキットを行いました。
 公園の遊具でもよく見かけるようになった、子ども用のボルダリングからスタートしました。ボルダリングは、壁に固定されている「ホールド」と呼ばれる突起に手足をかけて登っていきます。頂上までたどり着くにはどう登ったらいいのか、お子さん達は頭と全身をフルに使います。その為、体力と思考力が身に付きます。
 中間地点はハードルです。ハードルは3個並べましたが、ただ上にジャンプするだけではなく、足が地面に着地したのと同時に素早くジャンプし、次のハードルを越える事になります。その為、地面を素早く強く蹴る力、足を高く上げる事が鍛えられるようになります。
 最後はトンネルです。トンネルは、身体がぶつからないように体勢を変化させてくぐる事によって、空間認知能力や身体認知能力を養う事ができます。また、「手と足」「右手と左手」のように、複数の身体部分を互いに協力させながら動かす協調運動が上手くできるようになる為、滑らかでリズミカルな運動が可能になります。トンネルは、長机を代用する事もできます。
 サーキットはお子さん達に大人気で、1周のみならず、タイマーを設定した上で繰り返し取り組む事があります。前にいるお子さんの距離が近い時は、ぶつからないように距離が空くまで待ったりと、自分で考えて動く姿が見られました。

放課後デイサービスの支援

SST(ソーシャルスキルトレーニング)


1月のSSTの課題は「遊びの誘い方・断り方について」、ねらいは「声を掛け合いながら遊ぶ、仲を深める」でした。
 お友達に声をかける背景は、理由や状況、その人との関係性など様々です。教室では
複数の場面を設定し、実際の会話や絵を見て話し合う・自分たちでロールプレイをしながら自由に考える・ゲームを通して声をかける経験をする、などの活動を行いました。
 以下は、ある場面を設定した中で「今日、一緒に遊ぼうよ。」「無理!」という会話を紹介したときの様子です。

☆無理!と答えたのははっきり言えていいと思う
☆うるせー、とか言わなかったのもいいと思う、等々。
★自分がお友達に「無理!」と言われたらどう思うのか?
☆いやだ。もう遊ばない、って思う、等々。
★どうお返事したらよかったのだろう?

 ここでもいろいろな意見が出されました。一つ一つご紹介したいところですが、まとめると

・設定であった「お母さんと買い物に行く予定があるから。」の理由を伝える
・「明日なら遊べるよ。」と提案する
・「また誘ってね。」と誘ってくれたことへの感謝の気持ちを言う
・今、自分は遊びの内容や相手に対して遊びたくない気持ちであることを正直に伝える

 実際に断るロールプレイでは、「ごめんね、今日は○○の予定があるから」と相手の気持ちに沿えないことに配慮したり、「今日は○○の遊びをしたいから。一緒にやらない?」と理由を言って断りつつも相手も誘うという場面も見られました。

 これは自分から声をかけるゲームです。同じ種類のお札カードを持っている人でグループを作り、話し合って遊びたい玩具を1つ
決めてそのお金と交換するという内容です。同じグループの人を探すために自分から複数の人にどんなカードを持っているかと問いかけが必要になります。そして、何と交換するかの話し合いをした後はその玩具で楽しく遊ぶための会話を考えます。

 こちらは、3人の人に順番に話しかけ、自分の背中に貼られた絵が「何の絵が何色でいくつある」のかを教えてもらうというゲームです。先のゲームにも言えますが、大勢が部屋全体を自由に動いている中で、一人の名前を呼び止め、「僕の絵は何の絵ですか?」「○○くんの絵は△△です」などの会話のやり取りをしなければなりません。学校も学年も様々という環境で声をかけることはそれほどたやすいことではなく、仲の良いお友達の後ろを付いて歩いたり、思い切りが必要だったり、声が小さくて相手に気付いてもらえずに声を大きく出す努力をしたり…。
 活動中は少し緊張気味の様子も見られましたが、3人グループができてお買い物ができたり、自分の答えと背中のイラストが合っていたりすると、お互いに喜びの声や拍手があがり、教室が賑やかになりました。

子育てハート便

金井先生(公認心理師)

 放課後等デイサービスを担当しております、金井と申します。
 昨年6月に第一子が産まれ生活ががらりと変わりました。一人の人間を育てることに大きな責任を感じつつ、喜びに溢れた日々を送っています。子どもの成長は早いといいますが、昨日できなかったことが今日にはできるようになっているということも多々あり驚かされます。つかまり立ちの体勢から自分でおすわりができるようになっていたり、拍手ができるようになっていたり……。どのような人間にも成長したいという意志があり、支援者の役割はこの意志が発揮されるように寄り添うことである。これは心理学者ロジャーズの考えですが、私も我が子の成長を目の当たりにし、改めて人間がもつ成長への前向きなエネルギーを感じました。ひまわり教室の職員としても、こうした人間のもつ成長する力を信じ、教室に通っているお子様がよりよい人生を歩んでいけるよう支援して参ります。

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